ディゾルブ ver.1.5
夜の涙はディゾルブ・イン。 彼の花芒は濡れていた。
優しく撫でてはフェード・アウト。 凍り付いてはフェード・イン。
鬱の鋏で枝を折り、歯車外して 幹 抉り、
枝葉末端に至るまで ビスタビジョンでディゾルブ・アウト。

内なる私はディゾルブ・イン。 其の期待値には届かない。
経済理論の法則性、 社会科学の理論性、
これらは私の漸近線。 私は四次関数ですらない。
集団心理に誘われて ビジネスモデルへディゾルブ・アウト。

人の命はディゾルブ・アウト。 電子音が吼えて居る。
山、谷、山。 山、谷、谷。 谷、山、崖。
雄大な彼の山脈も 溶明・溶暗を行き来して、
最後に私が見たものは グレートプレーンズの陰影だ。

人の命はディゾルブ・アウト。 短かき波長の音源よ。
電子音はフラッシュ・オーバー。 無性に耳障りだった。
残留思念はフラッシュ・バック。 無性に息苦しかった。
交信履歴は既に亡く 煩悩無尽なディゾルブ・イン。

夜の涙はディゾルブ・イン。 花芒は濡れている。
思い出してはフェード・アウト。 忘れ去ってはフェード・イン。
恋慕、慈愛、思慕の情、 悲傷憔悴、悔恨の念
時流、飛湍に、川上之歎。 それでも いつしか雲散霧消。

モノの価値などディゾルブ・アウト。 エンドロールには映らない。
起源が有れば、終焉が有り、崩壊が有れば、希望を持ち、
創造できると思い込み、やがては叶わぬ望みと知り。

黎明 光風霽月のもと 千紫万紅の鳥たちが、燭光送火に高翔す。
世紀越境の リン酸Caの炭塊は 思いの外、硬かった。

人の存在はディゾルブ・イン。 花芒は枯れていた。
そこに確定的な要素は無く、 故にそれに根拠は無い。
生み出されてはフェード・アウト。 消え去ってはフェード・イン。

光風霽月のもと 夜の涙をディゾルブ・アウト。
千紫万紅の鳥たちが、より遠くへ飛べるよう
我 一吹の薫風となりて 彼の花芒を揺らすのだ。
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