誰でも一度は夢を見る。
きっと皆が夢を見た。
其処に希望がなかろうと、
彼処が絶望だらけでも、
溶け込む術すら失っても、
誰もが一度は夢を見た。
とある人から聞いたんだ。
きっと理想郷はあるんだよ、と。
受け入れられない現実も、
優勢思想の現状も、
格差社会の見えぬ壁
全部無いのが理想らしい。
頭の弱い僕なんかには
深く理解できぬから、
ああそうですね、と相槌を
うつに留めておきました。
親切なおじさんに聞いたんだ。
如何して其処で悩むんだ?と。
判ってくれないわけじゃなく、
昔、彼もそうだったんだ。
同じような視点から
美化して語る癖がある。
人は都合がいいわけじゃなくて、
単に忘れているだけなんだ。
其処から理想を切り抜いた
誰もがかつては夢を見た。
だから僕は今ここから
都合のいい人の仲間入りを
果たすことを誓います。
さようなら。
未だ見えぬ、
もう見えやらぬ、
パラレル・ワールド。
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