たった一振りの
 それは 笑いだったか。  哀愁だったか。

 悲しみの果て どこか道の遠くに
 私が居る。 私を待って居る。

 それは 笑いだったか。  哀愁だったか。

 苦しみの丘 夢中でかけのぼった
 記憶がある。 思い出ではなく。

 それは 笑いだったか。  哀愁だったか。

 濁流の雑音 ヘッドフォンの攻防
 垂れ流しの嫌悪。 それも自己嫌悪。

 それは 笑いだったか。  哀愁だったか。

 完全形には 及ばない。
 不完全ゆえに 完成体。


 それは 笑いだったやもしれぬ。

 細く、細く、まだまだ細い
 可能性との遭遇、 確率との戯れ。

 それは 確かに 笑いだった。


 それは 哀愁だったやもしれぬ。

 惜別、 選択肢の破棄、 贋作。
 沈黙も 又 是だと知り。

 それは 確かに 哀愁だった。


 それは 笑いであり、 哀愁であった。

 たった一振り ほんの一振り
 絡み合った きせきだった。
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