ウタヲウタウ
歌を歌う。
無邪気な笑顔と、
輝かしい希望に。

唄を歌う。
懐かしき声と、
日暮の奏でる世界に。

歌を謡う。
一筋の槍と、
己が信念とを抱きながら。

詩を詠う。
心の映像化、
景観の文字化け。

歌を詠う。
鮮やかな白と黒のコントラスト。
見え隠れするビビット・カラー。

歌を謳う?
何を礎にし、
何を端と定めて?

何を謳う?
貫き通せる心構えか、
或いは存在か?

人は歌う。
己が信念か、
はたまた欲望か。

人は謳う。
揺ぎ無き自己を。
自分の存在を。


否、
不安定な存在を、
繋ぎとめる術が欲しいだけ。
自己満足の欲望を、
ただ単に満たしたいだけ。

私は詠う。
自己という危うい存在に
基盤を据えたままで。

それでも詠う。
ただ詠う。
私もまた
人だから。
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